涼しさのお買い物、スイカ用のかごバッグ
まんまるに編まれたネットバッグは、その昔スイカ用に使われていたかごがもとになっています。手仕事の道具を使いながら暮らしていた時代の美しい風景を、今の時代につなぐ一品です。
■畳の素材と同じ、いぐさのかご
スイカは玉売りが当たり前だった時代、持ち運びや井戸で冷やす際にかごが使われていました。
「スイカかご」はずっと残しておきたいノスタルジックな魅力がありながら、今の暮らしに取り入れやすいかたちにつくられています。
▲どこか懐かしく、でも今見ると新鮮さもある佇まい
素材のいぐさは畳にはならない短いものが活用されています。
青々としたかごから漂うのは、思わず深呼吸したくなるすがすがしい香り。そう、大の字で寝転びたくなる、あの新しい畳の香りです。
ネット状のかごは、職人である須浪隆貴さんがひとつひとつ編んだもの。まるで植物と会話するように、私たちが知らなかったいぐさの新しい表情をさらりと引き出します。
▲おめでたい意味をもつ七宝結びという技法で編まれています
▲縄が巻きつけられた持ち手。食い込みが強くないから持ちやすい
▲しっかりと編まれている底部分。すいかを入れると自立します
気になるお手入れですが、カビ防止に時々風にあててあげるくらいでよいそう。特別なことはしなくてよいので気負わずに使えますね。
■買い物にも、つるすインテリアにも
八百屋さんで買ったスイカを風鈴が揺れる縁側でいただく。そんな懐かしいシーンに想いを馳せながら、丸ごとのスイカを買いに行くのも乙なもの。
手土産にスイカやメロンを持って、お友達にそのままプレゼントするのも素敵です。
▲ワンピース([BUNON]Embroidery Gather Dress)、モデル身長151cm
そしてこのかごはスイカ用だけでなく、さまざまなシーンで役立ってくれます。
内袋を入れたら、お散歩バッグにぴったり。お出かけの必需品、財布と携帯、鍵を入れたところ、すっきりとおさまりました。
サブバッグとしても使えそうです。
▲こちらの写真では33×24cmの巾着をセットしています
インテリアのかごとしてもおすすめ。
吊るしてキッチンクロスなどキッチンの布入れに、通気性のよさをいかしてじゃがいもや玉ねぎ、りんごなどの収納に。
▲無造作に入れられるのでレジ袋やゴミ袋入れにもぴったり
クローゼットなら靴下入れに、リビングの窓辺に植物を吊るすと美しいシーンをつくってくれそうですね。
スイカかごは使っていくうちに味わいが出てきます。
青々とした色は時間とともに畳が焼けるのと同じく、飴色に変化していきます。使う人の手の脂によりツヤが出てくるそうなので、ぜひ沢山使って育ててください。
▲新品(左)と、5~6年経ったもの(右)の比較 写真はびんかご
■伝統を今に。創業1886年の須浪亨商店
須浪亨商店の創業は1886年。
岡山県倉敷市茶屋町でいぐさの栽培にはじまり、のちに花ござ(染色したいぐさの織物)を手掛けてきました。
かつてはいぐさ産業が盛んだった倉敷市。時代の移り変わりにより須浪亨商店も一時廃業しますが、隆貴さんが祖母から編み方を習い、伝統を継承しています。
伝統の手法を大切にしながら、今の私たちの暮らしにもフィットする須浪亨商店の製品。なるべく長く使ってほしい、そんな想いからメンテナンスにも対応しています。
それでもいつかはものの寿命はやってくるもの。そのため数多くはつくれない手仕事品ですが、買い直そうと思える良心的な価格設定になっています。
日本の暮らしとともにあったいぐさの道具。須浪隆貴さんが手掛けるものはその心地よさと豊かさを今の私たちに伝えます。
写真提供:須浪亨商店(3、13、14枚目)
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《つくり手ファイル》いぐさを編む、岡山ならではのかごづくり/須浪亨商店 須浪隆貴さん
SHOPPING MEMO
材質:いぐさ
サイズ:W約24×H約23cm(持ち手までH約40cm)
重さ約120g
※画面の表示の色は、ご利用の環境その他により実際の色と多少異なる場合があります。
※天然素材で手づくりしているので、一つ一つ形やサイズが違います。