ちょっとおろしたい時に便利、卓上用の銅製おろし金
■おろすのが苦になりません
そばや刺身のわさび、冷奴の生姜、隠し味のにんにくおろし……料理にプラスするとよりおいしくなる「おろしもの」ですが、少し億劫なのがおろす作業。
でもそれを苦に感じさせないのが、60余年の経験を持つ職人「江戸幸」の勅使川原隆さんがつくる銅の卓上用おろし金です。
爽快感すら感じさせる鮮やかな切れ味の理由は、ひとつひとつ銅板に目を彫ってつくっているから。鏨(たがね)という道具を使い、コンコンコン……と手作業で目を立てます。
機械製と比べると違いが一目瞭然。機械製は目が小さめですが、江戸幸の方は目がしっかりと立ち上がっていて、そっと触れただけでひっかかりを感じます。
▲左が江戸幸の銅のおろし金、右がステンレスの機械製
刃の並び方は機械製が規則的であるのに対し、江戸幸は均一ではありません。でも手でしかつくれないこの不均一さによって、素材のいろいろな面があたるので目が詰まりにくく、うわすべりすることなくおろせるのです。
▲押した時も引いた時もどちらもおろせてるなって感触があります。
鋭い刃だとケガをしないか心配かもしれませんが、力を入れすぎずにおろせるのでむしろそうした心配が減るのではと思います。
■使いやすい卓上サイズ
こちらでご紹介している卓上サイズは、扱いやすい手のひらにおさまる大きさ。刃が細かく、薬味など小さいものをおろすのに便利です。
▲おろす面が銀色なのは、さび防止のために錫(すず)を手引きしているため
▲こちらは裏面
「大きなものと比べると安いけれど、小さいものも大きいものも作業は同じなんだよ」勅使川原さんは笑いながらそうおっしゃってました。
食べるときにおろす卓上用としてだけでなく、料理の際にも活躍します。
料理ににんにくや生姜をおろしたものが少しだけ必要なことってありますよね。そんなときは大きなサイズより卓上サイズがおすすめ。五号サイズと合わせて持っていると何かと便利です。
■機械製と比べてみました
江戸幸のおろし金と、スタッフ私物の機械製で生姜をおろしてみました。
機械製はおろしていくうちに生姜が形を崩してぐじゅっとなってしまいますが、江戸幸の方はなでるだけでおろせていく感じ。大げさかもしれませんが、力をいれすぎずにおろせました。
▲左が江戸幸、右が機械製でおろしたもの
▲ふんわりとした生姜おろしができました
■おろし金を使い終わったら……
使い終わったあとのお手入れですが、スポンジだと刃がひっかかってしまうため、ナイロンたわしや歯ブラシを使うのがおすすめ。クレンザーで洗うと、きれいな状態が保てます。
水分がついたままはよくないので、洗ったらキッチンクロスでパンとはさむようにぬぐってください。
湿気を避けるために、収納は箱ではなくなるべく風通しのよいところにしまいましょう。持ち手に穴があいているので、かけておくのもおすすめです。
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SHOPPING MEMO
素 材/銅板、錫
サイズ/66mm×全長100mm