Envelope FOOD HALL|[吉實]本鍛錬 出刃庖丁

手入れをして、長く使い続ける出刃庖丁

数々の名店といわれる料理人や料理研究家、御用達の吉實。昔ながらの製法を貫き1本1本、手作業で包丁を研いで仕上げています。研ぎながら使い続けることができる、一生ものといえる出刃庖丁(右利き用)をご紹介します。

*価格は消費税込みの金額です

■自分で捌くとやっぱりおいしい

「魚も切り身よりも捌いたほうがおいしいですよ」と話すのは吉實の吉澤和さん。

魚は切り身にすると鮮度が落ちやすくなるため、まるごと捌くのがやっぱりおいしい。頭を骨ごと落としたり、三枚に開いたり。そんな時に、刃に厚みのある出刃庖丁は欠かせません。

同店の出刃庖丁は、地金と鋼を重ねて頑丈さを増した刃で気持ちのよい切れ味。昔の人が切れるようにと必死に考え抜いたものを無駄にしないよう、研ぎながら使い続けることができる庖丁をつくっています。

エンベロープでは、刃渡り約15cmの家庭で使いやすいサイズをご用意。その切れ味とサイズ感は、難しいと思われがちな出刃庖丁の扱いを身近にしてくれそうです。

片刃なので、3枚おろしのときなど骨に沿ってきれいに切れます。刃先の薄さが切れ味と身離れのよさを左右します。

捌く魚のサイズは、刃渡りより魚のお腹部分が小さい魚を選ぶのだとか。丸ごとの魚を料理ができるようになると、旬のものを手頃においしく味わうことができます。それに魚以外にも肉の軟骨を切ったり、ミンチにするときにも使えます。

 柄は清潔感があるホウの木を使用。接着剤を使わず、熱く焼いた庖丁の接合部分を柄に差し込むという方法で、刃と柄をくっつけています。▲もし柄に水が入って腐ってしまった場合も、柄は修理する(有料)ことができるので安心

刃も柄も、手入れをしながら長く使い続けることができる、まさに一生ものです。

長く使い続けるために大切なのは、きちんと刃の汚れを落とすこと。しまっている間にさびてしまったということがないように、鋼製の出刃庖丁はクレンザーでのお手入れは必須です。▲ご紹介できるのは右利き用です

 

■鯵の3枚おろしに挑戦

「前からずっと欲しかったから!」と出刃庖丁を購入したスタッフが、実際に鯵を捌いてみました。

まずはゼイゴを取り除きます。

次に頭を落とします。この時、いつもの洋包丁だと中骨で引っかかってしまうことが多かったのですが、ストンとスムーズに落とせました。

内臓や血合いをきれいに洗い流したら、腹側→背側の順に骨から身を切り離します。出刃庖丁の切っ先は鋭いので、この作業もスムーズです。
最後に腹骨を取り除いたら、完成です。
鯵の他にも、全長40cmほどのハマチも3枚おろしにしてみたそうですが、5寸サイズでも問題なく捌けたそうです。

■いつものお手入れと、気になった時のお手入れ

鋼製の出刃庖丁は魚の油が残っていたりすると酸化してさびてしまいます。使い終わったあとは必ずクレンザーを使って洗い、乾いた布でしっかりと水分を拭きとりましょう。

ちなみにサビて茶色っぽくなっても健康上は問題はありませんが、気になる場合はメンテナンス(有料)もしてもらえます。  

そして、切れ味が気になりだしたら砥石で研いでください。▲家庭では中程度の粗さの砥石があれば大丈夫。

吉澤さんがおっしゃるには、ちゃんとつくられたものはどうやったって研げるようにできているんだそう。難しく考えず、水に5分程度つけた砥石でできるだけ角度をつけずおさえこむようにして研ぎます。片刃なので、刃のついている面だけを研ぎます。刃先から刃元まで砥石があたるようにつくられているから、自分で研いでも大丈夫

砥石を使うのが苦手な方や自分で研いでも切れ味が落ちてきたなという場合は、同店でメンテナンス(有料)をしてもらえます。きちんとつくられた庖丁なのでメンテナンスしてもらうことで、最良の切れ味に戻ります。

料金の目安は傷みがない状態であれば2,000円くらい、刃が欠けていたり研ぎ癖がついている場合で2,500円くらいです。詳細は吉實に直接お問い合わせくださいね。

  

■分業だからこそできる包丁づくり

本格的な庖丁といえば鋼をイメージする方も多いのでは。吉實では鋼とステンレス両方の素材で庖丁をつくっています。鋼製の出刃庖丁のほかに、エンベロープオンラインショップでは、ステンレスの洋庖丁もご紹介しています。▲お店には鋼やステンレスの庖丁がずらり

鋼は硬度が上がりやすく薄くできるので、切れ味が長持ちする素材。さびが出やすくもあり、使うたびにクレンザーでお手入れをします。

一方、ステンレスは硬度があがりにくいけど、変色しづらい素材。同店では、鋼と同じくらい抜群の切れ味にするため、出回っているステンレス材の中で一番硬度の高いものを使います。

どちらの素材も「すべての工程で手をきちんと入れないと出来上がりが違ってくる」という考えのもと、製造は鍛造、地研、本刃付けとそれぞれ専門の職人による分業で行われています。

金属を叩いて焼き入れする鍛造、かたちを整える地研、そして吉實が担うのは最終工程の本刃付け。▲砥石を使って研ぐ工程は、日本でしかできない技術


吉實での本刃付けは研いで仕上げるということ以外に、それまでの工程で不具合がなかったかの確認を兼ねています。

ねばりがあって硬さがあるものになっているかを研ぎを通してチェック。納得できないものがあれば、その工程の職人さんへ戻すこともあるそう。▲最終仕上げでひとつひとつ研ぎを入れているので、刃先には軽い傷がついています


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SHOPPING MEMO

出刃庖丁
サイズ:
5寸(刃渡り:15cm、柄:12,5cm、重量:約190g)

 

※鋭い刃付けがしてありますので、お取り扱いにご注意ください
※直接、火にあてたりしないでください。硬度が落ちて切れ味が悪くなります
※柄はホウの木でできています。長時間水につけておくと、壊れる原因になります
※食洗機でのご使用は不可です

配送・ラッピング

箱入りラッピング不可(ボックス入り商品です)
簡単ラッピング可(付属の箱を包装紙でお包みします)
ネコポス不可