小さな中に手仕事を宿す竹の道具箱

■使いやすい大きさの横長のかご

小ぶりなサイズながら、丁寧なつくりのよさを感じる道具箱。

四角をつくる技術を特技とするつくり手福田真理子さんは、しっかりとかごが立ち上がっているかどうかを大切にひとつひとつ箱をつくります。▲取手つき

小ぶりな横長の形は、生活のあらゆる場面で活躍しそうです。ふたもかちっときれいに閉まるので、心地よく開閉動作ができます。 素材は真竹。その真竹に熱処理を施し、油や色を抜いた「白竹」を使い編まれています。白竹のみずみずしい透明感は、明るく上品な印象をもたらします。▲美しい角

福田さんは、道具として役立つかどうかという視点のもと、いろいろな大きさで箱をつくっています。▲左手前から時計回りに　道具箱（取手なし）、ボックス（取手なし）、スタッキングバスケット／ふた・取手つき、ボックス（取手つき）、道具箱（取手つき）

■竹の趣と職人技を感じる、細やかな編み目

道具箱は小さいながら繊細な目で編まれています。竹を細く割ったひごが規則的に通る編み目はリズムがよく、シンプルでモダン。細いボーダーを連想させます。福田さんは、師匠から教わった竹割包丁という基本の包丁と手感覚でひごを整えています。そのため編み上げるときにもひごの幅が均一でないので、感覚で調整しながら高さをそろえていくそう。

ほとんど均一にみえるようなひごですが、その微細な不均一が竹の趣を残し、豊かな表情をつくっているのかもしれません。

■取手なしと取手つきに、ふたなし・取手つきが仲間入り

道具箱は取手なしと取手つきの2つの種類に、今回の受注会から気軽に使える「ふたなし・取手つき」が加わりました。▲左から取手つき、ふたなし・取手つき、取手なし

今回新しくご紹介する、ふたなし・取手つきは、リモコンや読みかけの本などのさっと取り出したいものの置き場所としても。蓋がないので使用頻度の高いものにもおすすめです。和風にも洋風にも馴染む竹の存在感に、通気性のよい、さわやかな雰囲気もかごならでは。ケアアイテムを入れると、自分ケアの時間も特別なものに感じられそうです。コーヒーやお茶のセットを入れてそのままテーブルに出せるのもかごのよいところ。▲取手は可動式なのも使い勝手のよいポイント

すっきりとした佇まいの取手なし。机の上の収納やキッチンクロス収納、オープンシェルフの収納など、多様にお使いいただけます。▲取手なし

持ち運びのしやすい取手つきは、手芸材料をいれたり、ピクニックのお弁当がわりにも。▲取手つきに裁縫道具を入れて

■変化してなお愛おしい。天然素材の変化や特性について

竹かごは時を経るほどに色は濃く変化していき、お買い求めいただいたときからすこしずつ変わっていきます。育ち方は人それぞれだから、時を経るほど愛着の沸く存在に。

ぜひその変化もお愉しみください。
また、天然の素材のため、湿気が多いところではカビが発生する場合があります。時々たわしでこすってほこりを落とし、風通しのよい場所での保管をお願いします。

かごは水洗いもできるそうですが、その場合には水染みが残る可能性や形が丸みを帯びることがあります。また、水洗い後はよく乾かしていただくようお願いします。

天然素材を用い手作業で製作しているためささくれや節、色ムラがあります。手仕事のものとしてご了承ください。

■竹の世界に魅了されて。職人として角物をつくる

学生時代から手仕事に興味を持っていた、つくり手の福田真理子さん。あるとき訪れた大分県の伝統産業会館で出会った、パワーあふれる別府竹細工に魅了されます。

そこから大分への移住を決心。竹細工の勉強を始め、知り合った師匠の下で働いたのち独立。

福田さんは「編みに惹かれたというより、竹が大好きになってしまってずっといじっているという感じです」と話されます。
丁寧な職人技の凝らされた作品ながら、どことなく楽しそうでみずみずしく、あたたかさも感じるのは、つくり手の想いが投影されているからでしょうか。

かごの形は、師匠から教わったという四角い形を基として製作されています。すっと角の立ったフォルムが際立つ、シンプルでいながら職人技の凝らされた作品をぜひお楽しみください。

写真提供：tpfc（23枚目）

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《つくり手ファイル》師匠たちの遊び心に惚れ込んで／tpfc 福田真理子さん

SHOPPING MEMO

素材：竹、真鍮
サイズ：W約24cm×D約13cm×H約13.5cm（ふた含む）

※天然素材を使用しているためひごの端やささくれ部分は鋭利なことがあります。充分にお気をつけください。
※天然の素材のため、色むらや節、多少のシミや傷がある場合があります。予めご了承ください。
※天然素材を使った手仕事品のためサイズは誤差があり、歪みや隙間がある場合があります。ご了承ください。
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