寝具店で新アイテムが続々登場しています。先週は2種類の枕を販売開始したので、そのことにもじっくり触れたいのですが、その前に発売した ISHITAYAの「バランスプロファイル敷き布団」を取り扱うことにした理由をおやすみノートを通じてお伝えできたらと思います。
ISHITAYAによるオリジナル品であるこの敷き布団は、天然素材でないウレタンフォームが芯材に使われているため、ISHITAYAにとっては異色の品といえるかもしれません。ウレタンを使っている理由とともに、敷き寝具に求めることについて考えてみたいと思います。
この商品はマットレスとして使える敷き布団。そもそもマットレスを選ぶ場合、大まかに以下の選択肢があります。みなさま、どんなものを使っていますか?
化学繊維の素材
・スプリング(コイル)タイプのマットレス
(上にウレタンを仕込んでいるものも)
・低反発フォームなどのウレタンのマットレス
・高反発ファイバーマットレス
天然素材
・馬毛のマットレス
・天然ゴム(ラテックス)のマットレス
・ウッドスプリングのマットレス
エンベロープの寝具店ではマットレスを考えるのに基本的に3つの要素が大切だと考えています。1つ目は、身体をしっかり支えること 、2つ目は通気性、放湿性の高い素材であること、3つ目は扱いやすいことです。
このマットレスにもなる敷き布団は、ウレタンフォームを軸にウール+ウレタン+ウールという順でサンドされていて、私たちがマットレスに求める以下の条件と一致しています。
1)身体を支える(主にウレタンによって)
2)通気性と放湿性(ウールによって)
3)扱いやすさ(ウレタンとウールによって)
入眠中の無意識な身体をしっかり支えるのがマットレス。底つき感が無く、身体の体重が一部に偏ることのない体圧分散性の高いものを選ぶのが大事で、その役割を「ウレタンとウール」が担っています。適度にやわらかいので無駄な力が抜けて、リラックスができます。
▲ウレタンは全体が均一なのではなく波型の加工が施され、腰部分は硬め(200ニュートン)、頭と足部分はやや硬め(140ニュートン)。面ではなく細かな点で身体を支える設計
身体を支える以外に大切なのは、身体に近い部分に通気性や放湿性のある天然素材を選ぶことでこの点を「ウール」で対応しています。
そこに「扱いやすさ」も加わっているのが決め手でした。というのは、リサーチを重ねていて、天然素材ばかりに目を向けているのも違うよね、と思わせる企画力のある寝具と出合ったのです。
それはポリエステル繊維でつくられた厚みのないマットなのですが、吸湿発散性に優れた素材と構造を併せ持つ「ウェーブわた」というものを使用。
軽量でアウトドアにも適した扱いやすさがある上に寝心地がとてもいいんです。一見低質そうなのに価格がかなり高いのが、二度目の驚き。まるでリッチなミニマリストのためにつくられたような商品。私とスタッフわたなべ、二人とも寝心地に心動かされ、記憶に残るものでした。
その商品を知って考えさせられたのは、どんな素材の寝具を部屋に迎え入れて眠りたいのかということと、(女性一人でも運べて)暮らしの中で気軽に扱えることの重要性でした。三つ折りに畳めるバランスプロファイル敷き布団は、マットレスと敷き布団の中間のような存在です。
このアイテムはどちらかというと筋肉の量が少なく柔らかめの敷布団をお好みの方が合っています(硬めのマットレスをお好みの場合はボディードクターの futon5 を推奨)。
身体を支えながらもやわらかなウールによって脱力し、この上にウールベッドパッドを載せればさらに気持ちのいいベッドが完成します。
スタッフみやした