横振り刺繍で描く、命を紡ぐ維管束

■植物の神秘を刺繍で表現

伝統的な刺繍技法で、野に咲く草花の美しさを表現する「yuki onizuka」。
こちらのネックレスは、植物が持つ内部組織「維管束」から着想を得てつくられました。

太古より命をつなぐその構造をレースのように表現し、8種類のデザインが連なるネックレスに。光を通すオーガンジー生地と光沢のある銀糸で神秘的な美しさを表現しています。

▲後ろ側にも維管束を添えて

モチーフの大きさは、全体で15.5cmと襟もとにほどよく収まるサイズ感。華やかでありながら主張が強くないので、身につける人を品よく引き立てます。

▲シンプルなワンピースやニットの彩りにおすすめ

ネックレスの長さは、モチーフ部分を含めて約43cm。クルーネックにもタートルネックにも合わせられる、装いに取り入れやすい長さです。

■「横振り刺繍」で生まれる手仕事の美

鬼塚さんは「横振り刺繍」という手法で作品を制作しています。

横振り刺繍とは、和装品に使われてきた伝統的な刺繍技法。専用のミシンを使い、膝で振れ幅を調整しながら針を左右に揺らし、ひと針ずつ描くように刺繍していきます。

糸は着物の帯や西陣織にも使われる京都産の織り糸を使用。

伝統素材と技術を受け継ぎながら、自然の草花の息づきを閉じ込めたような刺繍作品へと仕上げています。

■伝統刺繍の魅力を今に

伝統的な刺繍技法の魅力を今に伝える「yuki onizuka」。

つくり手の鬼塚友紀さんは、寺院の仏具や袈裟の修復に携わる中で、横振り刺繍の技術を学びました。

古くから受け継がれてきた職人の手仕事に触れるうちに、失われつつある技術を未来へつなげたいという想いが芽生え、2020年に刺繍ジュエリーブランド「yuki onizuka」を立ち上げます。

いけばなを学びながら培った感性を生かし、花のように繊細で生命の気配を感じる作品を制作。

70年前に製造されたJUKI製の横振り刺繍ミシンを使い、現在は八ヶ岳南麓のアトリエで、ひとつひとつ丁寧につくり続けています。

写真提供：yuki onizuka（8枚目）

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鬼塚さんへのインタビューも合わせてご覧ください（12月５日公開）
《つくり手ファイル》横振り刺繍が紡ぐ、野の花のジュエリー／鬼塚友紀さん

SHOPPING MEMO

素材：生地／オーガンジー、糸／ポリエステル・レーヨン、ネックレスチェーン／ロジウム製
サイズ：モチーフ全体幅 15.5cm、チェーン片側 15.5cm、重さ 3g

※手づくりのため個体差があります。
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