心身両面にうれしいモダンな佇まいの鉄瓶
水の味がまろやかになる。そんな鉄素材の特性から古くから愛される鉄瓶。空間鋳造の鉄瓶は伝統的な技術と、現代の暮らしに合う「用と美」がバランスよく実現されています。どんな空間も引き締めてくれる、モダンな存在感が素敵です。
■古くて新しい、空間鋳造の鉄瓶
「日本古来から伝わる、美・素・質を再構築した意匠を」と語るのは、空間鋳造の代表・岩清水久生さん。
岩清水さんはデザインを学んだのちに家業の鋳造業の道へ。現代でも使いやすく、美しい鉄の生活道具をつくっています。
その一つ一つがどこか古くて新しい、そんな感覚で惹きつけられます。デザインの軽やかさに加え、使う人を選ばない実用性に富む空間鋳造のかたち。
そこには美術工芸色の強い南部鉄器の研究から裏打ちされた技術があるのです。
■空間鋳造だけの「鉄肌」
注目して欲しいのは、岩清水さんが試行錯誤してつくり方を考えたこの素朴な鉄肌。渋さのある鉄肌を備えたEggのフォルムは、キッチンやお部屋の中でたたずむ様子が素敵です。
▲容量700mlのEgg(大)は、2~3人分の急須なら2回分ほどのお湯が沸かせます
■鉄瓶に興味がありつつも取り入れられなかった方に
「Egg」の名の通り、かたちは卵のようにまるく、愛らしいフォルム。
重さは1300gで、1Ⅼ前後の鉄瓶の中では平均的。だけど横広でないコンパクトなフォルムは持っても重い印象を感じさせません。
幅165㎜でサイズも小ぶりです。直火にかけた後、そのままテーブルへ
▲素朴な鉄肌をそのままみせるようなゆったりとしたデザイン
▲底面はこんな感じ
▲注ぎ口の下には空間鋳造のマークが施されています
■日常で「鉄瓶」を育てる楽しみ
白湯を飲む生活や、鉄瓶で沸かしたお湯でお茶やコーヒーを淹れるのは気になるけど、「うまく使いこなせないかも」と思う人も多いのではないでしょうか。
硬く、耐久性のある鉄は素材として優れものですが、短所は錆びやすいこと。
しかし、鉄瓶は植物のように育てる楽しみがあり、そこに鉄瓶の魅力が詰まっています。
1.お湯をまろやかにする湯垢
鉄瓶で繰り返しお湯を沸かしていると、カルシウムやミネラル成分が鉄瓶の内側に徐々に付着します。
これがお湯をまろやかにする理由です。使い初めにきちんと湯垢をつけることでサビも防止。
▲使い始めると内側に白い点々が生まれていく
2.時間の経過で鉄瓶の表面も変化
昔ながらの鉄瓶でよく見かけるのは表面が茶色くなったり濃い藍色の鉄瓶。これは経年変化によって生まれます。
釜焼きされた空間鋳造の鉄瓶は、内側も変化し、外側も表情が変わっていきます。
▲内部に湯垢が覆い始めるとともに口先や蓋周りにも変化が出ます
3.最初の3か月は毎日使う
鉄瓶をサビにくくするためにも、使い初め3か月は湯垢を定着させるよう継続して使うのがおすすめです。
湯沸かしたお湯はその都度出し切り、蓋をはずし、余熱で乾かしてください。
■もしサビが出てしまったら……
空間鋳造の鉄瓶にはサビのお手入れの説明書きが付いています。扱い方に関わらず、サビは出てくるものだそう。
次の工程を追うことによってサビをとることができます。
ブラシでサビを落とす → 次に煎茶葉で沸騰。弱火で煮出す→ その後、10時間待機 → 湯を湧かす
▲毎日のお茶に。驚くほどまろやかな味になります
■風土が生む生活道具のかたち
空間鋳造の工房は岩手県奥州市にあります。奥州市や水沢市でつくられる鋳物のことを「南部鉄器」と呼びます。
発祥地である岩手県盛岡市は、豊富な資源や雄大な北上川の水流に恵まれ、鋳物の「型」をつくるための良質な砂や粘土が採れたことによって南部鉄器は広まりました。
岩手の伝統工芸品として登録されている「南部鉄器」。
つくり手が時代に即した価値をつくり、次の時代に道具を継承していく。そんな道具の良さを存分に味わってみませんか。
SHOPPING MEMO
南部鉄瓶伝統技法 釜焼き仕上
適正容量:700ml
満水容量:900ml
重量:1300g
サイズ:幅 165mm、奥行 136mm、高さ222mm(持ち手まで)
※ご使用いただける熱源は、ガスコンロ、炭火、電磁調理器(IH)、ラジエントヒーターシーズヒーター、電気プレート、ハロゲンヒーター、ストーブです。電気調理器(IH)は、一部対応できない商品があります
※鉄瓶の内側は「釜焼き」という工程で酸化被膜をほどこし、湯の金気や赤さびを防ぐようにしています。この膜を傷つけないためにも内側をたわしでこすったり、洗剤を使って洗ったりしないでください
※食洗器は使用できません