古いドレスシャツの雰囲気を宿す表情豊かなワンピース
■エレガントかつ快活なワンピース
礼装用のクラシックなドレスシャツに見られるデザイン、イカ胸の雰囲気を生かした「パスチャードレス」。裾へと広がるシルエットがエレガントかつ無邪気な姿をイメージさせます。
首元がすっきりしたシルクリネンの「カルマールブラウス」との組み合わせがおすすめです。▲モデル身長156cm
後ろから前へ流れるようにつくられたパターン。後ろ身頃がやや長いので、なめらかなシルエットを生み出します。後ろはすっきりとしたAライン、前はたっぷりのドレープ。前後の見え方が少し異なるようにつくられています。切替線を利用してななめにつけられた両サイドのポケットはデザインのアクセントに。アームホールが広いので、ふんわりとした袖のトップスとも相性抜群です。背中の切り替えもデザインのさり気ないポイント。着用時には見えないパイピングテープにもこだわりが。フォーマルさの中に遊び心あるデザインです。
■軽くて柔らかいナチュラルな生地
経にリネン、緯にウールとコットン使用した程よい厚みの生地。小さな輪っかができるように撚ったそれぞれ色の違う糸を奥行きが出るように打っています。■2021SS ”REMEMEBRING”
これまでの日常が揺らぎ立ちすくむ日々の中で、デザイナーの斎藤龍也さんが見つめたのは「記憶」でした。流体の日々に起こる曖昧な気分の揺らぎを掬いたいとしてきたsusuriのかけらを思い出して、組み合わせて、とどまった今をそのまま表したシーズンです。
「価値観が大きく動いている今、服として何を提案していけるのかを模索し、これまでの記憶を消滅させることなく、たぐり寄せることにしました。記憶をなくしては何も想像ができないから」今回のコレクションでは、存在の消滅が理不尽に突然進行し、それを止める術を誰も持たない人々が住む閉ざされた世界を描いた小説『密やかな結晶(著:小川洋子)』をヒントにしたそう。
「大切にしていきたいと考えているこれまでの精神を基本に、モダンで緊張感のあるライン、ゆったりとしてエレガントなシルエット、見える位置によって生まれるギャップ、クラシカルな要素の現代への昇華など、今の気分のかたちつくりを探っていきました」「また、小説の舞台となる島や船のイメージからマリンの要素を散りばめ、バカンスの軽くて明るいリラックスした空気を取り入れました。加えて、記憶というテーマに沿って、過去につくったかたちや生地を思い起こし、違う組み合わせにして新たに提案しています」「静かに慎ましく強い黒を土台に、白やベージュ、ブルー、ネイビーなど海を感じる色を打ち出し、これまでに訪れた国の記憶やまだ見ぬ場所の想像から、イエローやパープル、ブラウンを差し込んでいます」
関連記事
《MY FITTING ROOM》[susuri]パスチャードレス
《つくり手ファイル》服を着て始まる、自分だけのストーリー/susuri齋藤龍也さん
SHOPPING MEMO
素材:リネン53%、コットン31%、ウール16%(別布 キュプラ100%)
着丈 120cm、身幅 53cm、肩幅 36cm
※平置きでの実寸のため、多少の誤差がある場合があります。
(※素材の特性上、ネップやシワ、ヨレや畝、があります。)