まずは素材を頭に入れましょう。
主な種類は「あけび」(左)と山ぶどう(右)の2つ。
山ぶどうは20年以上前から希少でしたが、あけびも年々手に入れるのが難しくなっているそう。「昔は1回の収穫で2トントラックにつみきれないほどでしたが、今はがらがらの状態で帰ってくることも」(武田さん)
さらに職人の数も年々減ってきているのが現実。素材もその技も、より貴重なものになっています。
津軽地方の名産品のひとつ、あけびや山ぶどうかご。かごを見ただけで「これは●●編みね!」って答えられたらかっこいいですよね。
このぺージでは、宮本工芸の武田太志さんにご協力いただき、種類豊富な編み方や持ち手の中からぜひ覚えてほしいものをピックアップしました。
まずは素材を頭に入れましょう。
主な種類は「あけび」(左)と山ぶどう(右)の2つ。
山ぶどうは20年以上前から希少でしたが、あけびも年々手に入れるのが難しくなっているそう。「昔は1回の収穫で2トントラックにつみきれないほどでしたが、今はがらがらの状態で帰ってくることも」(武田さん)
さらに職人の数も年々減ってきているのが現実。素材もその技も、より貴重なものになっています。
知っておきたい8つの見分け方
職人さんが最初に覚えるのが「並み編み」(まずは鍋敷きをつくるのだそう)。シンプルに縦の芯に対し横の芯を通していく十字編み
並み編みの次のステップになるのが「ホラ編み」。一段飛ばしで編んでいくことで流れるように斜めの模様があらわれる
横向きの松葉のようなV字模様が「小松編み」。2本の横芯を2本飛ばし1本飛ばしと繰り返し編んいく。あけびの場合半分に割った蔓でつくるけど丈夫
すきまなく斜めに模様が入っているのが「あじろ」編み。上質な素材で一つずつ飛ばしながら編む、縄文時代からその原型が見られる伝統的な編み方
田んぼの畝のような編み目が特徴の、技術を要する上級者向けの技法。選りすぐりのきれいな素材(あけびの場合はきれいな茶色)でつくる
1本蔓を一定の間隔をあけながら編むすかし編み。太すぎずしなりがよい素材で編む。木型を使わずひとつひとつ縄掛けしながら編んでいくので技術が必要
ご覧の通り規則性のない自由な編み方。縦横だけでなく斜めもあるので一番丈夫。乱れながらもしっかりしていないといけないので腕とセンスが問われる
通常のかごは横編みに対し「織り編み」は木型に合わせて縦に編んでいく。基本的にかっちりと四角ではなく曲線的なかたちのものが多い
あけびかごの内側を見ると、白っぽいものもあれば(左)、外側と同じ茶色のものもあります(右)。
これは蔓の処理の違い。左は蔓を割った「割り蔓」、右は蔓をそのまま使った「1本蔓」。
割り蔓は軽いのでバッグ向き、1本蔓は壊れにくいといったそれぞれのよさがあります。
さらに持ち手も覚えましょう
※あけびを例に解説します
あけび蔓や籐を輪にしてかごに接合し蔓を巻く。良質な材料と技術を要する津軽地方ならではの技法
蔓を三つ編みのように編んだ持ち手。基本は8本だがもっと少ない本数で編むことも
太目の蔓を2~3本くらいまとめてねじりながら編んだ持ち手。グニ手よりおおらかな編み方
太目の籐を丸のかたちにして芯にするのがリング手。その上にあけびの蔓をぐるぐると巻く
持ち手が弓のようなDのかたち弓手。リング手と同じく籐で芯をつくりあけび蔓を巻く
縁にあけびの芯をかけてその上を蔓で巻くクラシカルな持ち手。可動域は大きくないが、その分邪魔になりにくい
かごの縁にもいくつか種類があります。写真左は「二一縁(にいちぶち)」で1本蔓を編んだ縁。
右が「ざる縁」。山ぶどうのかごで用いることが多いがあけびの場合は割り蔓を使用。巻いていくためひと手間かかかってます。
将棋の駒のような「駒型」(写真)や薄い「薄型」、ふっくらとした胴の「洞(ホラ)張」などかたちもいろいろ。