Envelope FOOD HALL|[大久保醸造店]万葉乃里
麹使いと時間がうみだす、深い深い味
長野県松本市で100年以上続く、老舗醸造元「大久保醸造店」。食べ物はできるだけシンプルなものがよいという考えのもと、安心でおいしものを追求してつくられる、玄米糀味噌「万葉乃里」をご紹介します。
■2種類の麹ならではの相乗効果
万葉乃里に感じるのは、まるで、熟成したチーズを連想させる味の奥深さ。その秘密は麹の使い方にありました。
一般的な味噌づくりは蒸して潰した大豆に麹と塩でつくりますが、今回ご紹介する味噌は蒸し大豆と玄米をそれぞれ麹にし、そこに塩を加えて味噌にしていきます。麹は同じ種菌を使っていても大豆か玄米かによって違う働きをするため、アミノ酸が増えておいしさも増していきます。
▲麹を2種類使うと食品表示では調合みそという名称になります
■微生物がしっかり活躍、「ばら麹」
万葉乃里で使われる大豆麹は「ばら麹」という製法でつくられています。
「蒸し豆ひとつひとつに麹をつけるんだ。これまた、難しいんだよ。できあがった麹は雪が降ったように真っ白で、ポクポク栗みたいにおいしんだ」と嬉しそうに話す大久保さんが印象的でした。
蒸し豆は、失敗すれば納豆になる危険にさらされている状態。それを麹にするのは、とても難しい作業です。この製法によって早い段階で微生物が活発に働き、味わい深さにつながります。
▲色は熟成により、濃いこげ茶色。大豆の粒が残っています
また、二夏ゆっくりと熟成をさせるのもこの味噌の特徴。大豆麹と玄米糀による微生物の長期に渡る活動によって、特有の深みのある香りが生まれます。まさに時間によってつくられる味なのです。
■まずは味噌汁で
熟成した旨みがありながら、キレのある後味。まずは、味噌汁でその違いを味わってください。
▲大豆のたんぱく質がしっかりと分解された味噌は、味噌汁にしたときに、味噌がフワッと舞います
味噌汁をつくるとき、いつもの分量より少し控えめでも十分な満足感が得られるはずです。飽きずに飲める味噌汁だから、つくり手の大久保さんは1日に6杯は飲むそうです。
次に、レシピを2つご紹介します。どちらも簡単なので、ぜひつくってみてくださいね。
1:なす田楽
万葉乃里、砂糖、水、みりん(各大さじ1を混ぜ合わせ、とろりとするまで加熱します。焼いた茄子に塗って、胡麻をかけて出来上がり。
2:白身魚の玄米糀味噌蒸し
白身魚に軽く塩をする。万葉乃里(小さじ1)、紹興酒または日本酒(大さじ1)、みじんぎりした生姜(少々)を混ぜたものを、白身魚にのせ、蒸し器で約15分蒸す。白髪ねぎを添えて、ごま油をひと垂らしすれば完成です。
中華料理で使われる豆鼓のようなおいしさがあるので、玄米糀味噌で代用ができます。
▲味噌の香りと味をしっかりと活かしたシンプルな味
そのほか、きゅうりを漬けたり、甘酒と合わせて豚肉を漬けるのもおいしいです。麻婆豆腐にかくし味として少し加えるのもおすすめです。
■良質でシンプルな原材料
万葉乃里の原材料は、大豆、玄米、食塩、アルコール。大豆は青森、新潟、富山、長野を中心とし、米は長野、塩は沖縄のシママースなど全国から選りすぐられたものを使用しています。
▲大豆、米は国産の等級品を使用
▲厳選された原材料が並ぶ保管場所もきれいに整理されています
■伝えていきたい味
毎日、三世代で食卓を囲むという大久保さん。「味三代といって、その家の味というのは、祖父母や両親を通して孫の代まで直結していく」とおっしゃっていたのが印象的でした。
私たちが大久保さんの味噌や醤油に出合って、たくさんの方に伝えていきたいと思ったのは、おいしいのはもちろん、次の世代へつなげるという想いが重なったのかもしれません。
▲三代目の大久保文靖さん
▲建物の周りは醤油の良い香りが漂っています
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SHOPPING MEMO
原材料名:大豆、玄米、食塩、アルコール
内容量:500g
保存方法:直射日光を避け、涼しい所に保存
直射日光を避け、涼しい所に保存。開封後は要冷蔵(10℃以下)で保存し、お早めにお召し上がりください
食品を含むため、お客様都合での返品・交換は承れません。