滋味豊かな、海からの贈り物
100年以上の歴史を持つ、大阪の昆布専門店「こんぶ土居」。日本ならではの食材「昆布」の伝統を守るとともに、時代に合わせた優れた食品をつくっています。その一つがこちらの「白口浜二年栽培真昆布」です。
■献上昆布の郷、白口浜で育ちました
ご紹介するのは、北海道の白口浜で二年栽培された真昆布。白口浜は、山の栄養分が川を経て海に流れ込むこと、安定した水温、十分な日照量などから優れた昆布が育つ場所です。 こんぶ土居では、この場所で育った二年栽培の昆布からさらに品質の優れたものを選りすぐっています。 天然真昆布の不作が連年続くなか、養殖昆布の必要性は高まってきているそう。養殖といっても、肥料や農薬は一切与えず海水の養分だけで育つので自然栽培といえます。 2019年の白口浜真昆布の生産予想内訳は、一年養殖昆布が94.4%、二年養殖昆布4.5%、天然昆布1.1%。二年養殖の昆布はとても貴重なものであることが分かります。
▲上品で滋味に富んだ真昆布が採れるのは、函館沿岸。川汲浜を含む白口浜の真昆布は、朝廷や幕府に献上されていた最高銘柄なのです
■一晩水に浸けるだけ、それだけで充分
「出汁をとる」。丁寧な暮らしを想像させる言葉ですが、土居さんが教えてくれたのは、一晩水に漬けるだけのとっても簡単な方法。良質な昆布なので、これだけでおいしい出汁が取れるのです。
▲水1Lに対し、昆布10g以上が目安。冷蔵庫にストックしておけば、必要な時に使えて便利 ご参考までに、鰹節も使った一例も教えてもらいましたのでご紹介します。
▲(1)用意するのはこちら。昆布10g、水1L、鰹節10g
▲(2)鍋に昆布と水を入れ、一晩(時間がない時は最低2時間)おく。火にかけて、沸騰したら火を止めて昆布を取り出す
▲(3)鰹節を入れて2~3分おく。目の細かいザルで濾す
■洋食にも展開可能!昆布の懐の深さ
意外なことに、昆布出汁は洋食にも展開できます。 自分を主張することなく、陰ながら料理をおいしくしてくれる昆布。著書「大阪・空堀 こんぶ土居 土居家のレシピと昆布の話」(ぴあ)には、和食のほか洋食レシピも掲載されています。 ▲出汁の旨味をたっぷりと含んだ、昆布出汁のリゾット
土居さんの本を参考につくりました 出汁をとった昆布は、ふりかけや佃煮にしても。 そのまま食べてもおいしい昆布だから、捨ててしまうのはもったいない!最後まで味わいつくしましょう。 ▲刻んだ昆布と鰹節を、醤油とみりんで炒めます
■本物の味を伝えつづけて
大阪の昆布専門店、こんぶ土居の創業は1903年(明治36年)。北前船によって北海道の昆布が大阪に集められたのは、江戸から明治時代にかけてのこと。 昆布文化が発展した時代から現在に至るまで、同店ではその魅力を発信しつづけています。 ▲こんぶ土居があるのは、大阪市中央区の空堀(からほり)商店街。店内は無垢の松の床、漆喰の壁、あたたかみのある光を放つ船舶用の照明…。そのあたたかみは、同店の製品づくりに通じるものがあります
出汁をとる家庭が少なくなった今、4代目の純一さんは産地への訪問やだし教室の開催など、様々な取り組みを行っています。日本の伝統的な食文化を次世代に受け継いでいくために。 ▲同店のウェブサイトやパンフレットでは、昆布だけに限らず食材についての情報発信をしています
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SHOPPING MEMO
原材料名:真昆布(北海道産)
内容量:60g
保存方法:高温多湿や直射日光を避け常温保存
賞味期限:1か月以上のものをお届けします
・食品を含むため、お客様都合での返品・交換は承れません。
・この商品は日本国外への配送ができません