両手を添えて持ちたくなる、やわらかな佇まいのお椀
福岡県糸島で木のうつわやカトラリーをつくる小野寺幸裕さんのお椀は、持つとふわっと手によく馴染み、木のやさしさや力強さを感じます。小野寺さんが木工作家を志したきっかけにもなったという木のお椀をご紹介します。
■手に馴染む感覚と北欧スカンジナビアデザインを意識
工房雲の小野寺幸裕さんのつくるお椀は、目にするだけで両手を添えて持ちたくなるような、やわらかい佇まい。
重心を下に置いた安定感のあるデザインは、小野寺さんの師匠である時松辰夫さんのお椀と北欧のスカンジナビアデザインをヒントにしたものだそう。
「汁椀のデザインは、私が木工を目指して時松師匠に弟子入りして修行を始めるきっかけになったアイテムの一つです。お椀を手にとった時に感じた手に馴染む感覚がとても魅力的に感じました。いつか自分もこんな器を作りたいと思い、今も精進しているつもりです」
■やさしい口当たり。穏やかな時間が流れる食事
木目の美しさが感じられるお椀は口当たりもやさしく、手に取ると木の種類それぞれの特徴をストレートに感じます。木のやわらかな触感や穏やかな時間の流れを感じながらの食事はとても豊か。
「生活雑器をつくっているので、様々な生活スタイルの中で、“何げなく毎日使い、何げなく手に取っている”そんな風に使ってもえらえるものをつくりたい」と小野寺さんは言います。
ご紹介するのは、ヒノキ、サクラ、スギ(黒染め)の3種類から。
ヒノキは驚くほど軽くさらさらとした手触り。サクラは木目が細かく、ややかため。黒染めのスギは木目がはっきりしていて、重く優美な雰囲気があります。
▲ヒノキ
▲サクラ
▲スギ(黒染め)
■汁物好きはサイズ大がおすすめ。和風から洋風スープも
ぽってりとしていながら自然美を感じさせるフォルムのデザインは、お味噌汁だけじゃなく洋風スープを盛りつけるのも好相性です。凛々しさがありつつも主張せずいろんな料理に寄り添ってくれます。
同じ種類の木でも、木や部位によって色や木目がさまざま。一つひとつ個性があります。
▲左から、スギ(黒染め)、サクラ、右に微かに見えるのがヒノキ。木の種類で迷ったら「よく使う汁物の具材に合いそうな木や、見た目がおいしそうに思える木を選ぶことをおすすめします」(小野寺さん)
▲木のお椀(ヒノキ)に白みその雑煮。お餅はまるざ古代餅三色餅を使って
サイズは大・中の2サイズから。汁物が好きで多めに飲む方には、サイズ大(満量約350ml)を。すーっと少量飲むくらいがお好きな方は、サイズ中(満量約280ml)をお選びください。
サイズ中は子ども用の食器としてもおすすめです。手によく馴染む点だけでなく、子どもの頃から職人によってつくられたお椀に触れると豊かな出発点になりそうです。
▲ヒノキ、左からサイズ大、サイズ中
▲見込み部分。うつわ全体から美しい木目が感じられます
▲サイズ中
▲サイズ大
▲サクラ、左からサイズ大、サイズ中。
▲サイズ中
▲サイズ大
▲左からサイズ大、サイズ中のスギ(黒染め)。黒染めは形づくったあとに染料に浸して染めていきます。きりりとしたスタイリッシュさが魅力。使いはじめだけ染料のにおいがする場合があります
▲サイズ中
▲サイズ大
ヒノキやサクラは長年使用していくと、全体的に色が濃くなります。長く気楽に使えるように、食器用のウレタン塗装仕上げているため、油や醤油やソースが浸みません。透明な塗料で素材の色や木目を楽しめます。
■ひとつの器や道具から楽しい食卓がひろがるように
木のあたたかみと表情の豊かさを知って欲しいという思いで、さまざまな種類の木材でものづくりする工房雲。家族で揃えて使える、それぞれのサイズのお箸や木のうつわを福岡県の糸島、芸術村で制作しています。
うつわの中でも汁椀は、20年以上木工の仕事をする小野寺さんの原点。木工作家である時松辰夫師匠に憧れ、少しずつ自分のカタチに変化しているもの。
「独立して毎年年末に一つだけお椀をつくっています。今年一年の成長をはかる物差しのつもりで。ただ、ここ数年はカタチに変化はなく本当に細かい自己満足の話です」
毎日使うものこそ、持った感覚にこだわった小野寺さんの汁椀はいかがでしょう。暮らしを彩るかけがえのない存在になってくれます。
SHOPPING MEMO
サイズ:
大 直径約12×高さ約7cm( 満量 約350ml)
中 直径約11×高さ約6cm(満量 280ml)
重量:ヒノキ / 大 約100g 中 約80g
サクラ / 大 約160g 中 約約110g
スギ(黒染め)/ 大 約160g 中 約120g
材料:ヒノキ、サクラ、スギ、食用ウレタン、染料
※手仕事品ですのでサイズに多少の誤差はあります。また天然木を使用したいるため、一点ずつかたちや木目が異なります。ご了承ください。
※画面表示の色は、ご利用の環境により実際の色と多少異なる場合があります。